赤い三角屋根の大正15年生まれの国立駅舎が10月10日から解体作業が始まります。
国立駅舎は現存する木造建築の駅舎では東京都で原宿駅の次、2番目に古い建物です。
8日の午後11時半頃を最後に駅としての役目は終了。
さよならコンサートや自主制作フィルムを駅前で公開したり駅前は
未だかつてない「さよなら」ムードでいっぱいです。
駅は被写体としても雰囲気があるので遠方からもカメラマン達が来ています。
存続するかしないか、これからのことはJRと行政や市が決める事ですが
たくさんの人たちの思い出の風景を簡単に消してしまうなんてつまらない世の中です。
被写体としても人気のあった青山や代官山の同潤会アパートがたて壊されたり
都会がどんどん最新の高層ビルや有名な建築家の建物に変わる時
ある建築家が雑誌での対談で
「それぞれのいろんな時代を生きてきたいろんな世代の人たちがその場所に訪れたとき
その時のそれぞれの時代やその時の感情、その時生きていた人を思い出すのが
その場所の建物であり変わらない風景である。」
と話していました.
学生時代によく通った。子ども時代に住んでいた。新婚の時に住んでいた。
付き合っていた人が住んでいた。国立で学生の時アルバイトをしていた。
国立に関わるすべての人が久しぶりに訪れた時
その人それぞれの「時代」を思い出すきっかけになる風景がなくなるのです。
もうすぐ解体されます。存在の大きさは失ってから確認できるのでしょうね。
閉鎖前夜の国立
閉鎖される当日の朝