出張から日本に戻ると、すっかり夏の盛り
暑さの頂点も8月がピーク。お盆がすぎる頃には、暑さの中に秋が見え隠れし始めます。
これから晩夏、そして初秋。
この頃の、青々とした緑から抜ける爽やかな秋の風はとても心地よいです。
夕暮れから聞こえはじめる、ヒグラシの鳴き声
日本は季節を意識した言葉や自然が美しいなあと、思います。
パリの乾燥した気候から湿気たっぷりの暑い日本に戻り
肌に水分が吸収され、心地よくもありました。
やっぱり、自分は日本人なんだなあーと、実感。
とはいえフィレンツェやパリの空気は忘れたくないので
フィレンツェのポプリの香りやパリで買ったパヒュームキャンドルをお店に漂わせ
蚤の市で買って来たガラクタをウィンドーに並べたりしてます。
その空気や気配を感じてくれるのか、いつもと違うお客様がふらりと立ち寄って
じっくり見ていく方達がいます、、、密かな喜びを感じてます。
ヴァンプの蚤の市では、お店のディスプレーを購入
蚤の市へ行くと、古いものを捨てずに大事に残している人たちがたくさんいる事がわかります。
日本は捨てる整理が流行っているけど、彼らはものを大事に取ってある。
ヴァンプでは、ひいおばあちゃんが使っていた生活用品を市に出している人がいました。
ジャムの瓶やお鍋敷きがかわいくて買ってきました。
家財道具一式丸ごとを売っているところもあります。
なんでも5ユーロ!という所もあり、明らかにガラクタもあったけど
探せば宝がみつかる!キャンドルスタンドを手に入れました。
10枚5ユーロで昔の誰かが書いた絵はがきも売っている
一枚一枚、ゆっくりと見て、知っている場所の絵はがきを見る楽しみもあります。
世界旅行へ行った気分で、いろんな場所のポストカードを買ってきました。
蚤の市は生活の一部
キッチン道具、イスやテーブル、絨毯なども売ってます。
新品を買わずに、蚤の市でインテリアを見に来ているカップルが多い
モノを大事にする、とっても素敵な習慣だなあと、うらやましくそして感心します。
パリを歩くと日本ほどモノにあふれていないことに気づきます。
文房具屋でも雑貨屋でも、昔から経営しているような古い雰囲気の店が多い。
何年も陳列場所が変わっていない、それこそデッドストックが並んでる。
すぐに閉まるし、日曜はもちろん休みで、昼休みだってある。
いつも開いているコンビニエンスさはない事に、不便に感じることもなく、店が閉まっていてもみなさん優雅に散歩をしています。
お店が閉まっていたら「考えてみれば、必要なかった」「おとなりさんに借りてみよう」
「別のもので、代用できた」なんてことになるのかもしれません。
パリは公園だけではなく、噴水や広場等休むところがたくさんあって、一休みしている人たちの風景をよく見かけます。
持っている食べ物を見ると、けっこう質素です。
ハムだけのサンドウィッチに果物とか、ワインとチーズでのんびりしている人もたくさんいます。
とにかく、外でのんびりと過ごす事が生活習慣として根付いています。
桃やリンゴはみんな皮ごと食べているし、コップや皿は捨てるものではなく家から持って来た食器を使っている人が多い
買って来たお惣菜やサンドイッチも、ヨーロッパは簡単な包装だからゴミが少ないのです。
昔の日本のピクニックや遠足といえば、重箱にいれ風呂敷で包み、水筒でお茶を持っていく
中身は手で簡単に食べれるように、おにぎりやおいなりさんなど
けっこうゴミが少なかった
でも、帰りの荷物が軽くなるようにと、捨てられるお弁当箱に入れたり、飲み物はペットボトル
ゴミが多くなるが、便利さを優先という感じになってしまったようです。
日本に戻り、東京の街を歩くと、パリに比べ、お店と商品の飽和状態に驚きます。
最近出来たと思ったお店がもうクローズし、さらに新しいお店に、、1年前にオープンしたお店も古く感じてしまう。
それを当たり前のように見過ごし、通り過ぎる人たちに違和感を覚えませんか?
お店も、使い捨てになったの??東京では人間同様に、お店もひしめき合ってます。
同じような商品が至る所にあふれた店だらけの東京。
東京は、お金がないとつまらない街になってしまいそうです。
パリはお金がなくても、楽しめる街。
東京では、街を歩いてみるとひと休みする場所が少ないから、お店に入らないと楽しめない。
パリはお店に入らずとも、至る所にぼんやりできるベンチや広場、公園がある。
暑い夏も涼める木陰や噴水など、カフェに入らずとも休むところに事欠かない街です。
東京ではちょっと立ち止まって見回すと、パリみたいにぼーっと時間を過ごせる場所は少ない。
緑なんてあっても車通りのそばで排気ガスが気になる。
せっかくの木も環境が良くないところに植えるから、木陰になるほど大きくならない。
休みたくても、ベンチなんて滅多にない。
暑い東京を離れ、五山送り火が過ぎたばかりの落ち着いた京都へ行きました。
盆地で暑いとはいえ、山からは涼しい風が吹き、打ち水や風鈴での夏の涼をたっぷり感じました。
京都はフィレンツェの姉妹都市だけあって、街を歩くとフィレンツェと相通じます。
世界遺産の寺社仏閣からは、現代の建物が目に入らないような景観を大切に
古い生活文化や伝統工芸文化も大切にしている。
鴨川沿いも、まるでアルノ川かセーヌ川のように等間隔にカップルが休んでます。
錦市場も、フィレンツェの中央市場のように活気あふれてます。
今が季節のハモや、これからの松茸が並んでました。
京都へ行くと、ヨーロッパのようなこだわりを感じます。
毎回立ち寄る祇園のおばんざいやさんのお昼は、「おきまり」といって、コースのみ
常連さんを相手にするように、あっさりとした慣れた扱いをするので
久しぶりでも、なんとなく常連気分にさせてくれます。
京都のおもてなしをたっぷりと味わってきました。
フィレンツェ、パリに京都
街全体が世界遺産という古都に共通する事は、昔ながらの文化や生活を大事にしていること。
学びたいです。