美しいイタリアからシックなパリにやってきました。
パリにいる時は、暇さえあればカフェでただ行き交う人々を眺める
パリの老舗カフェでは、運が良ければフランスのセレブリティとの遭遇もありえる。
セレブでなくとも、地元のエレガントなパリジャンにパリマダムは鑑賞価値たっぷりなのです。
特にファションウィーク真っ最中だと
雑誌の中そのもののファッションピープルが眺められる。
パリは日がな一日カフェでただ人を眺めていても、飽きない。
お買い物だけに来ている超リッチな方たちも沢山いるので、雑誌を見るより華やかで楽しい
フライトにかかる長い時間は、その様子を間近で見れるだけで価値あると思う。
全身ブランドのゴージャスリッチなアジア人なんて、まるで香港映画を見ているよう
パリでは、ぼーっと歩いていられない。素敵な人、楽しい人がたくさん。
マレ界隈だと、感度の高いセレクトショップや新進デザイナーやアパレルのショールームも多くあるので、個性豊かなファッションピープルが多い。スキンヘッドの可愛い女のコや、真緑の頭したおば様、ロングヘアをステキにアレンジした男性も、街に溶け込んでいるんだからすごい。
メトロやバスでも、感度の高い人をたくさん見かける。
とはいえ、フランス人達がみんな先取りなファッションをしているかといったら、そうではなく、わりと時代が止まったかのように、オールドスタイルな人達の方が実際は多い。
そんなにファッショナブルじゃないけど、「これがフランス人の格好です。」という、昔から変わらないフレンチスタイル
その確固たるフレンチスタイルというのが浸透しているおかげで、ほとんどのフランス人はそんなにセンスを磨かなくともそれらしい格好が出来るんだと思う。
子供たちの装いも同じことが言える。
親達がどんなタイプに関わらず、子供の格好はオーソドックスなフレンチスタイルをしていて、みんな可愛い。
スーパーで売ってる服もフレンチスタイルなんだから、どう間違っても、間違った買い物はしないで済むし、センス悪くはならない。こうやって子供の時から、フランス人はフレンチスタンダードを植え付けられているんだと思う。
大人も子供も洋服を選ぶ上で、さらに大事なのはジャストサイズ、これが肝心なのです。
フランスの若い人達はピッタリシルエットが大好き、流行関係なく、スリムパンツは男女ともにいつの時代でもパリスタイルのスタンダード。そして大人達はジャストサイズというより、むしろワンサイズ下を着ている。レギンスのようにキツキツにパンツをはいている男女がたくさん!
パリで試着すると店員に大抵ワンサイズ下を勧められる。
少々きつくとも、その方がスリムに見えるし、洋服のシルエットがキレイに見えるから。
下着の線が見えてもお構い無し。むしろ、見せたいのか?と、思うくらい。でも、不思議といやらしくない。
日本は体型をカバーする着こなしとか、トップスにボリュームもたせ、ボトムはすっきりなどと講釈したファッション指南がよくあるが、
スタンダードなフランス人は、ただまっすぐなペンシルみたいに細くキュッと衣服を身につける。
人間の体の線を見せることが、着こなしといった感じ。
そこへ、冬ならストールをぐるぐると巻き付け、夏なら肌を出す。色も多く使わず単色使いで、シンプル。
これだけで、流行一切関係ない、みごとなスタンダードなフレンチスタイルになるのです。
変わらないけど、間違えのないスタイル。
子供たちのオーソドックスなフレンチスタイルと同じく、センス悪くはならない。
パリでの見かけるファッションピープルは一部の人達。
もしくは、ショッピングに来た外国人達で、ほとんどはこういった流行関係ないフランススタンダードな人ばっかり
ただそのスタンダードが、普遍的で落ち着いたセンスのスタイル、それがフランス人がファッショナブルと言われる所以なんだと思う。
私たち日本人も、まちがえのない日本人ならではのスタンダードスタイルを身につけているのかしら?
いざ、日本に戻ると、気になるのは大きめダボダボな暗い色のコートを着たご婦人。
大きめの靴でぺたぺたとぎこちなく歩く女の子、体の形が全く分からない服を着た子供たち。
ビンクさえ着ていれば女の子らしいと思っているのか、恐ろしい色使いの子、
いくらワイドが流行してるからって、ゆるいサイズのパンツやちぐはぐコーディネートをしてる若い女のコ。
これは、いただけない!
以前、テレビで「今の流行りは、ワンサイズ大きめの服を選ぶこと」と、ワイドシルエットのスタイリングを、ワンサイズ上を選ぶと言うふうに、コメントを投げかけたスタイリストがいて、驚愕したのですが、まさに日本人はそれ。
なんでも、盛ってしまう。鏡を見ていないんだと思う。
センスのよしあしは置いておいて、まずはジャストサイズを着ること、これはファッションの上でセオリーだと思います。シルエットを作ることが、服を身につける事と知ることが大事。
パリのカフェで、眺めているとわかる。
素敵だなと思った人達の共通点は、スタイリングだけではなく、歩いてる様子も素敵なのです。ジャストサイズを着ると、体の線がわかるから、不思議と背すじが伸びて、歩き方もエレガント
昔からの馴染みのお客様が
「なんかね、分かったのよ。結局着る服って、自分に似合う服。あとね、私って、フードが好きだってこと」
と、話してくれた。
その一言に、とってもドキドキした。おー、とってもパリジェンヌ!と、嬉しくなった。
そう、自分を知ることが、似合う服を着ることに繋がる
パリジェンヌ達から自立した芯のある空気や戦闘態勢な空気をビシビシに感じる。
それは他者に対してではなく彼らは自分対して戦闘態勢だったってことなのでした。
そういえば、彼らってなかなか目は合わないし、他人を見てない。見るのは、「ガラス越しの自分」なのです。
自分や子供を見つめて見ましょう。
似合う服をみつけるために!