3日間続くヨーロッパ最大の子供服展示会「Pitti Bimbo」は、イタリアの古都、中世の街フィレンツェで1年に2回開催されます。
忙しいスケジュールの中、私たち外国人バイヤーはもちろんの事、イタリア人の同業者達もここフィレンツェで空いた時間を見つけて街を歩いているのに遭遇します。
私たちが時間を見つけて行く所は、トスカーナ食材が豊富な中央市場にサンタマリアノヴェラ薬局です。
どちらもトスカーナ州のフィレンツェならではのお土産が買えます。
チーズやバルサミコ酢にポルチーニ茸、プロシュートハムやパンチェッタなどのトスカーナ食材
サンタマリアノッヴェラ薬局は、世界最古の薬局
香水やポプリ、クリームに石けん、キャンドル等が買えます。
日本でも買えますが、本場ならではの古風な空気と豊富な品揃えが魅力です。
しかし、その古風さに変化が見え始めてます。
サンタマリア薬局は、去年からの大きな改装が無事に終わっていて、入ってみてびっくり
入ってすぐに大きなタッチパネルで商品の説明や店内の案内が表示
奥には大きなアップルコンピューターがあり、すべて電子化したみたいな様子に、、
注文すると店員にカードを渡され、商品は会計カウンターでカードを渡し受け取るシステムに
あの古くて暗ーい室内が明るくなり、昔ながらの壁中に木がきしむ商品の棚に昔のレジがなくなり、ハイテクに商品管理されていた。ちょっと拍子抜け
観光客で混んではいても、800年の歴史を誇る世界最古の薬局らしくローテクなところが魅力だった。
これは、外国人のわがままなのでしょうか?
最後の晩に、久しぶりに1800年創業の「ココレッツィオーネ」という老舗トラットリアに行きました。
いつでも湧いていた店内に空席が見える。
予約は受け付けない、クレジットカードは使えない、トラットリアの基本でコーヒーはおいていないというオールドスタイルを守っている「ココレッツィオーネ」
トスカーナならではの料理を楽しめたのに、客席が埋まっていないのが悲しかった。
オールドスタイルを守り通すのって、難しいのかなと、変わってしまったサンタマリア薬局を思い出しながら感じました。
白トリュフのパスタ
トリッパ
素朴な中に、トスカーナの伝統を感じる食事でした。
実際に今でもフィレンツェで混んでいる店は味はもちろんおいしいが、今の時流にあった柔軟性のある店だったりする。
毎回行くトラットリアは、十年近く通い続けているがいつでも混んでいる。
伝統的なトスカーナ料理が中心で、リストランテ級の味が楽しめるのにリーズナブル
カードは使えるし、予約は出来る。食後はエスプレッソしかなく、ほかはヴィンサント酒のみというイタリアらしさも忘れない。
でも、イタリアってカフェが遅くまで開いているから、食後のコーヒーには不便しないのです。
それもあって、コーヒーが飲めなくてもOKなのかも。
オールドスタイルだと不便と言い、ハイテクになると興ざめすると言う、うまく調合がとれているのが良いと言う
ああ、部外者は、わがままなもんです、、、
ココレッツィオーネで会計時に「うちはサービス料が入っていないんだ」と、しきりと何度も言われた。
要するに、チップを置いてほしいという事なのでしょう。
最近は、どこの飲食店も「サービス料込み」での会計レシートが来る。なので、チップの習慣が無くなりつつあるヨーロッパ
その点もオールドスタイルのこの店、たぶん昔ならではの「チップ」を置いてくれる客が減ってしまったのかも。
久しぶりに10%のチップをテーブルに置きながら気づいた。
フィレンツェに来るたびに、オールドスタイルが消えつつあってとても悲しかったけど
私たちが無粋になってしまっている事がオールドスタイルを廃れさせている原因なんだと、、
最近、子供も大人もみんな揃ってダウンコートを着ている。ここイタリアもそう。
数年前までは、クラシックなウールコートを着ているのがイタリアならではだったのに、、
大人はずっしり感のあるウールコートを着て、きれいな形のレザーのシューズ、子供もクラシックな紺色のウールコートに、きっちりした革靴だったのに、、
それが、今ではダウンにムートンブーツだらけ
無粋だなあ、、、寒いからってダウン姿ばかりが巷に溢れていると、折角の冬のムードがない気がします。
しかし、ステキな人達はウールコートを着ています。
きっと次はオールドスタイルが戻ってくる予感がする、、いや、戻って来てほしい。
技術が向上しているのだから、軽くて暖かいウールコートも増えています。
装いも、ハイテクばかりじゃあ無粋です。多少のムードを考えて、クラシックを取り入れたい。
フィレンツェで最後の晩餐に選んだオールドスタイルを守り続けている「ココレッツィオーネ」
オールドスタイルの店に行くからには、お客のマナーが大切。
TPOを知っていること、、バランスってことなのかもしれません。
そういえば、実はいつでも仕入れは、バランスがテーマなのです。一番難しいのですが、、
最後の晩餐で、考えさせられました。
フィレンツェ、最後のカフェで食べたこのお菓子もめちゃくちゃ美味しかった。