洋服業界は年に2回、ファッションウィークといって
秋冬は1月から3月まで
春夏は6月から9月まで
メンズとレディースのショー(発表)が世界各国で開催されます。
中でも華やかで有名なイベントは、パリコレクションです。
パリの至る所で、展示会やファッションショーが催され
夜は、ファッション関係のパーティーピープルたちでカフェやバーが賑わいます。
私たちのパリでの仕事時期もそのシーズンに重なっているので
人気のカフェに居座れば、海外セレブとも遭遇できたりします。
この時期のパリは
有名デザイナーやモデル、女優や俳優とすれ違う確率の高さは最強です。
パリでファッションの仕事に携わると
ファッションとは、常に刺激と興奮、そして新鮮さと感じてしまいがち。
昨年の3月から、そんな興奮の時間が突如としてストップしました。
昨年の2月を最後にパリへは行けず、
パリは今年の夏で3度めの無観客のファッションウィークになります。
オッティで取り扱うそれぞれのブランドも
それぞれの形式で新シーズンのコレクションを発表する中
オッティで長く取り扱う「Le vestiare de jeanne」は20AWを最後に休止していました。
日本よりもフランスは早くから深刻な状況になっていたし、飲食店や商店は休業
外出も制限のあるロックダウンがつづいていたので、私たちも連絡が来るまで待つことに、、
ようやく、半年近く沈黙していたVDJのデザイナー兼オーナーであるシャルロットから
4月になろうとする頃にメッセージが届いたのです。
「 この特別な一年、新たなコレクションの製作や
目まぐるしいファッションウィークのスピードのプレッシャーから離れ
自分たちのこれからの仕事について考える時間を得られました。
今後、さらなるスローファッションを目指し
まずは、ファッションウィークでの6ヶ月毎の新作発表をストップします。
VDJ創立以来から私たちが理想としていたのは
誰もが着続けられる良いデザイン、良い品質、そして
家族全員のための時代を超越したワードローブを創ることでした。
今、この時から
私たちが通年展開しているベーシック「ユニフォームライン」と
創業以来に発表したコレクションライン
この2つのラインを軸に
新たなファブリックやインスピレーションを加えていく方法で進むことにしました。」
このメッセージは、とても自然に受け入れられました。
今まで、私たちは世界中のいろんな場所へ簡単にいくことができ、
ファッションの世界でも、海外のいろんな人たちと会え、直に見聞きし、商品を触れることができていました。
それは本当に刺激的なことでした。
突如、刺激と興奮、新鮮さをファッションに求めていた世界から遮断され
改めて、今までブランドと、またお客様との対話で得た経験から、
今後オッティがどういった商品をお客様に伝えていくべきかを考えました。
答えは、「丁寧に長く着続けられる、より良い品物をこれからも仕入れていきたい。」でした。
長く愛用でき、より確かな品物は手間をかけるために割高ではあります。
でもそういった商品は大量生産はされないため、過剰生産は避けられます。
シャルロットも同じ意見だと言っています。
確かな実績ある商品を、少量から生産し過剰にものを増やさないと、、
もので溢れた時代にものを売っている店として、気付かされたことが多々ありました。
そういった商品は色褪せることもないとので流行に左右もされません。
環境に優しく、ミニマムな生活へと近づくことで、より充実した未来になります。
シャルロットからのメッセージを受け、私たちが描く理想と非常によく似ていることに嬉しく、
また、オッティのお客様もきっと今回の決定を自然と納得できるはずと思いました。
今後しばらくもヨーロッパへ行くことは叶いませんが、
VDJはじめ、いろんなブランドとの信頼関係を培いながら
今後もゆっくりですが、様々な良い品物をオッティは丁寧にご紹介していくつもりです。
楽しみにしてください。