産まれたてのベビーからむっちり可愛い幼児体系の保育園児は親達にとって洋服は選び放題!
まさに親達にとっての楽しい着せ替え人形です。
その反面、親の手から離れ始める小学生時代、大人の背に近くなる中学生は反抗期真っ最中の難しいティーンエイジャー
だんだんと自我も出始め、洋服選びは難しくなる。
そんな子供時代も長くて十数年、多少の個人差はあるけれど自分達も通ってきた過程なので子供達の装いの変遷の想像はつきやすい。
女の子が大人に近づいていく装いの変遷を見るにつけ、自分もそうだったんだろうけど、なんて目まぐるしかったのかと子供達をみて気づく
一生懸命に大人に見える装いをしようとしたり、誰よりも流行に敏感でいようとしたり、似合う似合わないはさておき、とにかくいろんな装いを楽しんだ。
そしてある時に気づく、あれ似合ってない?この色、顔色に合わなくないか?と、
だんだん自分のスタイルが分からなくなり右往左往し始めるのです。
女性達がよく口にする言葉に「今まで着ていた服がピンと来なくなってきた」まさにこれである。
大人時代を生きる私たちにとって、まだ未経験な世代が待っていたのでした。
若い時は良い意味で鈍感、勢いで着ていただけであって、自分という個性にはなかなか気づきようがない。
トラッドが流行ればトラッド、やれフォークロアだ西海岸だとファッションの流行は大忙し
そして、はたと気づく、みんなと同じ流行を楽しめるのは実は若いうちなのだと、、
だんだんと自分にあった装いを身につけなければいけないかも、、と気づき始めるのです。
仕事でパリに来るようになると、パリジェンヌやパリジャン達の年齢層によっての装いにぶれがないのに感心する。
フランスに限らずイタリアでもそう
歳を追うごとに、イタリアはゴージャスでロマンチスト、フランスはシンプルエレガンス
みんな年相応に、そして驚くくらいに高齢の女性達も現役女性の装いをしています。
年を追うごとに、華やかに、そして本物志向になっていくように見える。
日本のように若い子がブランドバッグを持つという様子は見られない。
メトロやバスでは、ブランドバッグを持った女性たちはまず見ない。
ある程度大人になってからじゃないと、持つべきじゃないって若い子たちは思っているのかもしれません。
逆に言い換えれば、それなりの大人になったらエレガントな装いをしなさいってことなのかも。
休日にスエットパーカーでいたら
「なに?部屋着のままできたの?」と、ばっさりティーンエイジャーに言われてしまった。
「えー!これ、スポーツウェアじゃないんですけど!どこそこので、安物じゃないのよ!」
と抵抗して説明しようとしたら
「そもそもどこのなんて、聞いてないし」と、一撃必殺
撃沈、、
確かにね、、必要のない情報でした。
ここ最近の流行のスポーツテイスト、考えなしの勢いだけでは着れません。
きちんと「ミックス」して、大人のスタイリングをしないと「部屋着」と言われてしまいます。
いちいちコメントされずにスウェットやジャージを着るには
カズやイチローが現役でいるためにまわりの何倍の練習量をこなさなければいけないように
人並み以上に鍛えたり自分を知る努力をしないといけないって事です。
ああ、面倒
大人になるって、年をとる、年を重ねるって、なんて大変なことが多いのでしょう。
でもこういう変化も楽しみに替えていければ最高にハッピーです。
vol.1で触れた「エルボリストリ~薬草店」に行ったのには、
フランスのハーブティー(チザンヌという薬草茶)を知人に頼まれたため足を運びました。
予備知識なしに行ったら、そこには驚きの知らない世界が広がってました。
もともと香りは好きで、キャンドルや香水は手に取っていたけれどエッセンシャルオイルや薬草としてのハーブティー(フランスではチザンヌ)
植物からなるハーブのサプリメントや液体は全く馴染みがない。
そして、一番注目したのは、そのお店は女性たちで溢れていたんです。
若い人からうんとお年寄りまで、みんな店員さんと話しながらあれやこれやと相談しながら選んでる。
色々聞いてみると、漢方と同じで体質改善が目的で、病院に行かずに薬草でやり過ごしたいというハーブ類のようです。
女性達の悩み相談(男性も買い物してますが)を聞き、必要なものを揃えていくのです。
風邪をひいた時、胃腸を整える、眠れない時、など様々。
もちろん美容系もありそう。(日本人スタッフのいるエルボリストリもありました!)
私達日本女性同様にいつまでも美しくいたいとする必死さをその薬局で感じました。
ただフランス女性達達の美しさは、歳を重ねることで自然に美しくいられる
元気の源を求めているようです。
ココシャネルの言葉に
「20歳の顔は自然の贈り物、50歳の顔はあなたの功績」
「女は40を過ぎて初めて面白くなる」
まさに私が見るフランス女性像です。
老いを隠すのではなく、私はこう生きてきたという自信が溢れている
これから歳を重ねる女性達に向けて、シャネルは投げかけている
「美しさは女性の武器であり、装いは知恵であり、謙虚さはエレガント」
年齢を重ねることを恐れずに、なりたい自分に近づくことなのかもしれません。
ここエルボリストリではその手助けをしていました。
装いでつくる見た目だけではなく、健康や精神、内面も気を使ってこそ女性達は輝くのです。
子供達の装いはこれからの未来に向けて、大人達の装いは今のなりたい自分に向けてです。
高齢化がどんどんすすみ、70代現役はもちろんのこと、今後80代90代と元気な高齢者が増えてきます。
人生100年時代突入と言われる現代、人生設計が昔とは変わってきている。
いつまで体が持つかわからないけど、80代現役もありえるかも。
そうできたら、いまのお客様と何十年と今後もお付き合いを続けたい。
ティーンエイジャーを卒業した子達も大人服のおかげでまたお店に戻ってきてくれてる。
この子達が親となって来る日も楽しみ。
パーカー着て難癖をつけられた日は、疲れを隠したい気持ちがバレたのかもしれない。
元気でいることが美しさに繋がるのです。
フランス女性を見習って、エルボリストリに通う女性たちのように
体と心の健康に気を使い、内面の美しさも見つめてみようと今年の出張で思うのでした。
そして、新しい発見に出会えて今年も感謝です。
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