友人とディナーの約束
「せっかくだから、いつものサンジェルマンのあそこで食べましょう」
そこは、昔のパリと言う感じの古くさーいビストロ
メニューはステーキセットのみ。給仕は、みんなレトロなウェイトレス
客は観光客のみ。でも、なんだかここのレトロ感が好きでつい行ってしまう。
味はたいした事ありません。ただ、懐かしい雰囲気が心地よい。
メニューも考えなくていいし、場所がお互いのホテルの中間地点という立地も最高
せっかくだから、パリを満喫できる「Cafe de Flore」へ、、、
パリは世界でトップにあがる大都会。華やかで、美しく、贅沢、、そしてゴージャスな街
そんな事、何をいまさら??
分かってはいたつもりだったけど、分かっていなかったと、今夜思い知らされた。
「カメラ持っている人がいるから、誰かいるわね」
と、パリ通の友人がフロールの前で私にささやきました。
どこかに芸能人かモデルでもいるのかしら?と、周りを見ましたが、別に誰もいない。
といっても、フロールはいつでもファッション関係の人がいるし、雑誌の撮影もよくしているので、その言葉はすぐに頭から消されてしまった私
しばらく、おしゃべりをしていたら、急に辺りが真っ白に
電光石火のごとく、稲妻が落ちたかのように辺りが異様なくらいに明るくなったのです。
そして人だかり、、、
この光の洪水の原因はカメラでした。
「パパラッチよ!」と、友人。
「え!!パパラッチ??うそ!あ!!!あれは!!」
シャネルのミューズ、フランスの永遠の小悪魔、歌手で女優のヴァネッサ・パラディ!
ジョニーデップのパートナーでもあるヴァネッサです。
さっと、こっちを向いてカメラに向かいパパラッチ達に写真を撮らせ、車に乗って去っていきました。
車で走り去った後、、、。あっという間の出来事で、カメラに収められず、、
フロールにいたんだーーー。と、目の前に稲妻が走ったかのように驚いた。
こういう時に限って、撮れなかった。
「だから、誰かいるわねって、いったんじゃない。」と、友人
パリをよく知らなかった私、、まさか、パパラッチとは思わなかったよ、、、
写真に撮れなくても、この光景は記憶に焼き付いてしまった。
光の強烈さとは逆に、パパラッチ達のカメラのシャッター音の静かさにも驚いた。
ヴァネッサ・パラディは、顔がとても小さく、体も小柄ですごーーく細かったです。
周りの客はみんな落ち着いていて、いつものことって感じで、平然としていました。
パリは世界トップの華やかな大都会という事を、思い知らされた晩でした。
これから帰るまで毎晩フロールに通ったら、もう一人くらいトップスターに会えるかも、、
興奮冷めやらぬ、サンジェルマンでの夜でした。