シャルルドゴール空港からパリ市内に向かうと、緑あふれる郊外からだんだん建物が増え、急にごちゃごちゃと猥雑とした一帯がある。
クリニャンクールの蚤の市がある地域です。
蚤の市にある古着や古道具、古い食器や家具等、使用したモノも趣きがあり面白い。
時間があると、ひやかしで見て回ります。
クリニャンクール以外でも、土日はパリのいろんな場所で蚤の市が開かれています。
ヴァンプの蚤の市へも行きました。ここは露天のみで、掘り出し物が多い。
ヴァンプ
古いものに囲まれていると、何とも言えない心地よい気分になります
汚いといわれたらそれまでだけど、使い込まれたモノの良さがあります。
蚤の市を始めたのは屑(くず)屋と言われる人たち
19世紀後半、公衆衛生を理由にパリから追い立てられた屑屋達
家族総出でパリの夜の街をさまよい、路上に散らばるゴミを収集
元締めがそのゴミを買い取るという商売で生活していた屑屋
パリ大改造やコレラによる路上清掃など様々な問題で、彼らは最後にクリニャンクールに行き着きます。
パリ市内からクリニャンクールまで結ぶトラムができると、日曜にパリからくず屋の開く露店を大勢の人がひやかしにきた。
「蚤の市」という言葉は、ひやかしにきた客が「蚤だらけの中古品を売る市場」と言ったのが語源
しかし、国内外の美術品コレクターがくるようになると、パリ市内の骨董商も出店
投資家が土地を買収し、区画に割って業者に貸すようになり今日の様子に
高級家具から美術品、そしてまさしく屑まで、なんでもある蚤の市
ヴァンプ
修理を何度も繰り返しているだろう家具や絨毯に扉や棚等の建具
どこかのお家で使われていた陶磁器やカトラリーに絵画や置物
使いかけの香水瓶もよく見かける
昔のは容器自体が大量生産ではないから、素敵なのです。
ふだん新しいものや既製品ばかりに囲まれているから、かえって目新しい。
ヴァンプ
古いと言えば、どこにでもあるトイレの様子で、その建物の歴史がわかる
パリのトイレは旧式のトイレが多い。(便座がない、上に壊れそうな水槽タンクがあり鎖をひっぱるのなど)
むかし、カルチェラタンの建物のカフェに入ったら、トイレがまだない頃の建物らしく、後で無理矢理作ったトイレに遭遇した事がある
螺旋階段の壁に、まるでだまし絵のように扉があった。
内壁と外壁の狭い空間に無理矢理作った、いびつな空間のトイレ
しかも、まるで壷のような便座!ここは、どこの国?夢にまで襲う、摩訶不思議なトイレでした。
こんなにモノを大事にしている人たちから出る「くず」って相当なものだと思う
日本でも、家人が亡くなり、その主を失った品々や
空き家になり残された品々を骨董商や古道具屋が値踏みをし収集するように
フランスは「デバラセ(掃除屋)」という業者がいます。
家人の残された品々を丸ごと買い取る
そういった品々は、既に選別された品が出てるクリニャンクールではなく、ヴァンプ等の露天の蚤の市で出てます。
埋もれた品々を発掘できるので、目利きの楽しみの場であるそうです。
ごちゃごちゃで圧倒されますが、その家庭が使っていた食器、使い古した木のまな板や昔の調理道具、レコードや本
まだ生活のにおいを感じるモノたちが箱の中にごちゃごちゃに入っていて、早い者勝ちという感じで買い物客がたくさん。
その場で店主(といっても路地だけど)が、「サンク!」とか、大きな声で値段を付けている。
モノをまた生き返らせるという事はとても楽しい事なので、活気があふれています。
捨てる文化ではなく捨てない文化、そしてもらいにくる人もパリは多い
カフェで座っていると、お金やタバコを恵んでくれと話しかけられる
お金を断ると、タバコ、吸わないというと、お金。何かもらおうと必死
まあ、しつこい
果物屋でチェリーを袋に入れながら、食べてる人がいてびっくり
自然にぱくっと口に入れて味見していた。真似できないすばやさでした。
そして、ひったくりにも注意
とられたモノが売られていたなんてオチがないように、今日も斜めがけ、気を引き締めてパリの街です。
犬も人目を気にせず、所かまわずあっちこっちで用を足している。
なんだか、何見ても驚かなくなってきました。みんな、勝手気まま
「ケセラセラ〜なるようになる」的人生を生きているフランス人、、
日本に戻ったら、マナーの悪い人になってしまいそうで、ちょっと不安です