フィレンツェに着いた途端に、肉食系になる。
牛の骨つきTボーンのビステッカ、プロシュートハム
ポークも美味しいし、鶏肉も美味しい
冬なら体が温まる臓物の煮込み、オーソブッコも欠かせない。
胃腸が消化に必死になっているのも構わず、三食、肉、肉、肉なのです。
また、フィレンツェで食べる肉は、熟成肉
ほとんど生じゃないかっていう肉も、噛めば嚙むほどに風味がある。
生のサラミも美味しい。
ここでは、肉食から「乳食?」にかわる。
朝はパリパリ香ばしくて、中はしっとりとした美味しいバゲットにたっぷりとバターを乗せる。
塗るんじゃなく、乗せる。
フランスのバターの、甘くてまろやかで豊かな風味はもう芸術的
バターの香りが漂うクロワッサンも最高、噛むとジワっとバターが滲み出る。
そして、ミルクたっぷりのカフェオレ
遅い朝なら、チーズたっぷりのクロックムッシュ
昼になれば、パン屋さんで作るハムにチーズが挟んだバケットサンドや、バターやクリームたっぷりのパイやケーキ
ディナーもクリームたっぷりのソースや焦がしバターで焼いた魚なんかも美味しい
ステーキにも、ハーブバターが良く合う。
外食しなくても、食材屋さんでチーズにバターにバケットを買い、部屋で食べるのもいい。
ワインなんか買ってもいいかも。
そんなんで、フランスでは朝から晩まで、夜食までも乳製品を食べまくってしまう。
フランスでバターを食べた時、あまりに日本のバターと味が違うので不思議だった。
理由は製造方法が違うのです。フランスのバターは発酵バター
日本のバターは、非発酵バターが主流
日本が非発酵なのは、米国型の乳業を手本にしているのと
日本のバター生産は冷蔵技術の発展と共に歩んできたから
要するに、冷蔵が出来るおかげで非発酵を生産できたということ。
そもそも冷蔵施設のないはるか昔から、乳製品を食べてるヨーロッパ
保存が出来るように発酵が必要だったということ。
冷蔵庫がない時代に乳製品を食べていたヨーロッパでは、牛乳を飲む習慣はなかったそう
絞ってすぐ飲む以外は、保存出来るチーズやヨーグルトなどに発酵させることが当然なことでした。
その習慣は、いまでも息づいてるせいか、スーパーへ行くと牛乳コーナーって少ない。
牛乳はスーパーの隅に追いやられています。
そう、彼らはあんまり牛乳を飲まないのです。
酪農大国のフランスへ行くと、乳製品といえばチーズ 、バター 、ヨーグルト
日本はまったく違って、圧倒的にスーパーでは牛乳が幅を利かせているけど、
フランスで牛乳探す場合は隅を見ることです。
たぶん日本は戦後、子供の骨を作る健康食品ということで牛乳を奨励して、今でも牛乳が人気なんだと思う。
やっと、牛乳が右側に少しあるだけ↑
とにかく、フランスではバターは発酵にかぎります。
歴史を紐解くと、理由がわかるものですね
日本にも発酵食品は、味噌に醤油、豆腐や納豆、お漬物とたくさんある。
意外と両者ともに発酵同士なので合う、味噌にバター、チーズに納豆、相性よし。
ぜひ、試してほしい、発酵バター
パリやフィレンツェでの楽しみは食べ物以外にもう1つ楽しみがある
それは、「人間ウォッチング」
美術館で見る人物画さながらの男女が、この現代にも街を闊歩しています。
中世やイタリアルネサンスやフランス王朝の頃の絵画で男性たちは
ロングヘアに巻き毛、フリルにレース、かぼちゃパンツにハイヒールだって着こなしている。
宝石はもともと男性が身に付けるものだったし、人物の地位を表している
絵の中の男性は皆、威厳があり、たくましく知性溢れるように描かれる
何と言っても男性はステイタス重視
女性は腰を限りなく細め、ボリュームをもたせたスカートや流れるようなフォルムだったりといつの時代も女性らしいスタイルとエレガンスさが求められる
腰をくねらせ、どこを見ているかわからない妖艶な表情と魅力的な笑み
時代によっては、わざと青白くさせ、今にも倒れそうな儚げな女性が魅力的に描かれている
そう、女性はミステリアス重視
ヨーロッパに来ると、美術館でみる人物画のように
古典的な装いの人達が、マッチョでミステリアス風の男女が、、、そう、普通に歩いている
ロングの毛皮コートを着た男性や女性
古めかしいステッキに、マントを翻す紳士
毛皮の帽子かぶり、葉巻を燻らせるマダム
彼らを見ると、私達は洋風の衣服(洋服)をただ着ていて、彼らは、自分を演出するために装っていると痛感する。
洋服文化はそこそこ100年くらいの日本に比べて、中世やルネサンスの頃からレースやらフリルに別珍や毛皮なんて着ていたんだから、かなうわけない。
クローゼットや押入れにはおじいちゃんおばあちゃんのお宝がわんさとあるに違いない。
古着屋もコンビニ並みにたくさんある。
そこには、どの流行りも賄える膨大なカテゴリーの衣服がある。
トラッドだってストリート系だってある、エレガントな毛皮からパンキッシュな皮ジャンもわんさとある。
若い子達は古着を上手に加えた格好をしている子が多いから、みんな個性あるファッションをしている。
そして、歳を重ねるごとに女性はエレガントに、男性はジェントルマンになっていく。
大人たちも熟成してる、そう発酵してるのです。
日本でも、素敵な方に限って、和文化や和装に長けている方が多い。
和装って、帯や紐などの合わせが肝心だから、着こなしがかなり重要。
だから、和装に長けいる方は洋装も素敵な場合が多いのかも。
日本人たるや、日本の文化や美を知ってこそ、熟した日本人になれるのかも。
発酵食品同士が合うように、日本人として熟してこそ、海外の装いもセンス良く身につけられそう。
そう、食べ物も、人間も発酵に限る!