パリがこんなに寒いのは久しぶり
最近まで暖かく暖冬傾向だったのに、一気に真冬の気温の寒さ
「ようやくパリらしい寒さになったけどね、」とカフェの日本人ギャルソンがぽつりと呟いてました。
日曜のパリはとても静か
商店やデパートなどの商業施設は閉まっているので、のんびりした空気です。
そのぶん至る所でマルシェが出ます。
朝方まで降っていた雨は止み晴れてきたので、バスに乗ってヴァンプの蚤の市へ
毎週土日に開催される、パリの比較的大きい蚤の市のひとつです。
ここでは、いろんな掘り出し物を今まで買ってきた
もちろん、失敗はたくさんあるけど、それも勉強
歳を重ねて学んだ事は、失敗があってこその成功があるって事
ものは買ってみないと、良し悪しがわからない
そして、失敗か成功かなんて、さらにわからない。
とりあえずは、自分の直感を信じて買うべし!買うべし!
持ち帰って、眺めて、使って、時間をかけてこそ初めてわかってくるんです。
失敗か、成功か、、、
でも、失敗したとその時思っていても、時間をかけてみると成功に変わる事もあります。
初めてクリニャンクールに行ったのは、13年前
その時買ったひとつに、木製のおおきな船の模型があった
誰かが遊びで作った、ガラクタ同然の大きな船の模型
海にまつわる古道具を取り扱うショップで、比較的買いやすい値段だった
部品も至る所が外れていて、トランクの中でかなり幅をきかせ
持って帰るのも大変だったけど、持って帰ってからも邪魔者扱い
店になかなか似合わないし、しまうにもかさばる
安いからって買うもんじゃないなと、その大きな模型の船を見るたびに思った
そこでオッティで毎年行う「ガラクタ市」
さらに安く出したら、偶然通りかかったある人が大喜びで購入
とにかく嬉しそうなのが、こっちまで嬉しくなってしまった
今まで邪魔もの扱いしてきた船の模型が、一気に脚光を浴びた瞬間
これもまあ成功といえるかも
洋服もそう
自分が、そして子供が脚光を浴びてしまう装い
嬉しくなっちゃうのを見つけようではありませんか
「ヨーロッパの洋服って、細身なのよね」「着づらい!」
「縫い目があまいのよ」「ボタンが多い」
実際、本当のことなんだけど
色々と言われちゃうヨーロッパ服
確かに、欠点も多いけど、着た時の素敵さは日本がつくる洋服より勝ってる(と、思う)
着る時は楽ではないけど、着ると動きやすかったりする
細身な服はきついのではなくシルエットがきれいってこと
縫い目があまくても、ボタンが多くても、魅力があるのです。
ヨーロッパの文化や生活がそうであるように
洋服も面倒さより見た目や動いている時の美しさを大切にしている
あ、話がそれた、、、その前に、蚤の市でした。
ヴァンプでは昔の重た〜いけど素敵な三面鏡を購入
ここでも普段よりアジア人が少ないけど、地元のフランス人で混んでる
いまの便利ものではなく、昔だからこそあり得る面倒なものが並んでいますが
手のこんだ素敵なものがたくさんある
それが蚤の市の楽しさ
地元の人たちがこんなに蚤の市に足を運んでいるのなら、
このまま一気にクリニャンクールへ行っちゃおう!
だんだん心に余裕がでてきました。
とはいえ、今回の初メトロは結構緊張した。
メトロ内の様子が以前と違う。
日本人はもちろんアジア人観光客がメトロ内にいない。
まるで、アジア人が少なかった昔にタイムスリップしたように
ヨーロッパ人とアフリカ系とイスラム系しかいません。
ガイドブックを抱えた人なんてほとんどいない
しかも相変わらずクリニャンクール界隈は雰囲気悪い
10人中10人がすべてチンピラかと思われるような、人ごみを抜けて
メトロの出口からマルシェまでを走るように抜け
いつものお店へ猛ダッシュ
クリニャンクールは、蚤の市といっても大きな敷地内に
幾つかのマルシェの中に大小のお店が立ち並ぶ、パリ最大の
きちんとしたアンティーク街なのです。
しかし治安の悪い地区にあり、
クリニャンクールの周りはアフリカ系やイスラム系の治安の悪いテントが並んでいます
でも中に入れば観光地でもあるので、警官も立っている
蚤の市はいつものように観光客で賑わっていました。
いつものお店に行くと、すごい歓待ぶりでした。
このデッドストックを扱うお店は、アパレルのバイヤーやデザイナーなども仕入れに来るお店
日本のアパレル企業のいくつかは出張を中止しているため、いつもより日本人は減っているそう
ここでは多くの日本人が働いているので、いろんな情報も聞けます。
テロにあったカフェの裏に住んでいるスタッフもいて、
「 当時は怖くて、落ち込んでたけど、社長が元気づけにボタンを車2台分仕入れてくれて、いっきに盛り上がったのよー!もう、全然平気!」
と、通常に戻っていく事が嬉しいという感じ
わかるなーーと、思いました。
怖かったり、悲しかったりすると、
何もない普段の日常がどんなに平和で幸せな事なのか気付くものです。
しかし、ボタンが車2台分って、一体どんだけの量だ?
日常を取り戻そうとしている、フランスに住んでいる人たちを垣間見ました。
もちろんまだ普段通りじゃないパリだけど、生活している人たちは普通に毎日を送っています。
車2台分には程遠いけど、素敵なアクセサリーやボタンを仕入れました。
迷ってしまったら、次は確実になくなってしまうのが、お決まりのパターン
とにかく、迷わず、買うべし!
さあ、暗くなる前に急いでチンピラ街を走り抜け、ホテルに帰ろー
着いたらワインでも飲んじゃおうかな
今回の第一関門を突破した気分でした。